今月から、ついにプログラミングのオンライン講座が始まることになった。
プログラミングといえば、なんかこう、天才が黒い画面にカタカタ打ち込みながら、「これは非効率だねぇ」などとつぶやきつつ、すべてを効率良く片付けていく、みたいなイメージがある。いかにも未来的で、できる人はかっこいい。
しかし、私はというと、まったくもってそんな未来とは無縁の人生を歩んできた。昭和生まれの私は、どちらかといえば、ジブリ映画のようなアナログな世界に浸ってきたタイプで、最新技術には基本的にうとい。デジタルネイティブなんて言葉には、カタカナ横文字に対する拒否症状が出る。機械には苦手意識があり、なるべくなら避けて生きてきた。そんな私がプログラミングに挑戦して大丈夫なのか——いや、絶対大丈夫ではない気がする。
しかし、実は私、約10年前にHTMLとCSSというWebサイトを作るための言語を勉強したことがあるのだ。その頃は、得意げに「プログラミングやってます!」なんて言っていたのだが、どうやらHTMLとCSSはプログラミング言語ではないらしい。そんな衝撃の事実を知ったのは、つい2年前のことだった。
しかも、その頃運よくWeb制作会社で働かせてもらう機会があったのだが、私は技術的なことが全然理解できず、日々「このまま大事故を起こすのでは…」とビクビクしていた。そしてそのプレッシャーに負け、せっかくのチャンスから華麗にフェードアウトしてしまった。諦めた理由は「周りの社員が凄すぎて眩しすぎた」とか「プログラマーの人に質問したら舌打ちされて秒で心が折れた」とか、いろいろあるのだが、要するに逃げたのだ。そして、そのことがずっと心残りだった。
でもまあ今回こそは、もう逃げない。IT業界に転職して、「おお、これが私の天職だ!」と感動しながら働くのだ。できればクリエイティブで、毎日ワクワクして、なおかつ充分なお金が入る仕事がいい。現実はそう甘くないとはわかっているが、どうせなら楽しんで学び、気づいたら優雅で充実した生活を送っていたい。
とはいえ、まずは最初の一歩だ。講座の初日までに、天才たちが画面にカタカタ打ち込むためのあの動作を練習しておこうと思う。いわゆるブラインドタッチというやつだ。
まだまだ打ち間違いも多いが、「これは非効率だねぇ」とつぶやきながら、ひとつずつ慣れていくしかない。
コメント